
インディーデベロッパーのVladeta Stojanovicは、2025年1月25日にリリースしたアクションアドベンチャー『Datura Time』にV1.4メジャーアップデートを配信しました。本作は90年代コンソール時代の3D作品を彷彿とさせるレトロ風味の世界観と、ポスト・ソビエト&東欧美学を融合させた異色のダークアクション。今回のアップデートでは操作感の向上、ゲームバランスの調整、バグ修正が施されています。
謎めいた薬物「ダチュラ」との接触によって異世界「ゾーン」へ迷い込んだプレイヤーは、東ヨーロッパと旧ソビエト連邦の魂が集う形而上的な領域を舞台に、悪意ある勢力との戦闘に身を投じることになります。本作の世界観は単なる背景ではなく、プレイヤーが「外部者」として扱われ、次々と現れる謎めいた人物たちから警告を受けるという、物語の中心を成しています。
アップデートで大幅強化された操作系

V1.4アップデートの最大の特徴は、操作周りの根本的な改善です。これまで手動だった全武器の装備が自動化され、トリガーボタンが追加の自由ボタンとして再割り当てされました。つまり、戦闘中に武器の装備・解除に気を配る必要がなくなり、より直感的なアクションプレイが可能になったわけです。
さらに注目すべきは、モロトフカクテルの投擲システムが二段階式に進化した点です。素早いトリガー操作(1秒以内)なら固定速度での投擲、長押しなら従来の溜め投げが発動する仕組みで、プレイヤーの意図に応じた柔軟な攻撃が実現しています。キーボード・ゲームパッドの完全なキー・ボタン再割り当てにも対応し、プレイスタイルの自由度が大きく広がっています。
移動面でも改善が入りました。ストレイフ機能が新たに実装され、カメラ回転操作が廃止されるなど、操作の洗練が進んでいます。これまでのレトロ3D風ゲームにありがちな「古さが邪魔をする」という懸念が、本アップデートでかなり軽減されそうです。
戦闘バランスと難度調整

ゲームプレイ面では、複数のバランス調整が施されています。プレイヤーが10未満のヘルスで開始した場合、各レベル開始時に15ヘルスに回復するという救済措置が追加されました。これにより、連続した難しいステージでの「ソフトロック」(進行不可になる状態)を避けられるようになっています。
敵AIも調整されており、BTR60装甲車両は非タンク戦闘モードでプレイヤーを初めて発見した際、1.5~2.0秒の初期遅延を持つようになりました。一見すると敵に有利に見えますが、実際には戦闘開始の緊張感を高めつつ、プレイヤーに対応の余裕を与える設計になっています。ダチュラ状態での被弾ダメージが増加するなど、特殊状態の戦略性も深まっているわけです。
ビジュアル・UIの改善と実装

ビジュアル面では、列車ステージへの緑色の霧追加など、レベルごとの視覚的調整がくわえられました。ダメージを受けた際にプレイヤーメッシュが一時的に赤く染まる効果が追加され、被弾フィードバックが強化されています。これまで曖昧だったダメージ状態が視覚的に明確になり、戦闘の緊張感が増す工夫です。
自動照準システムも改善されており、ロックオン中は砲塔が敵へ滑らかに回転し、ターゲットが失われると自動で中央に戻ります。タンクモードでのプレイヤー移動の自由度も向上し、ロックオン対象の方向に関係なく全方向への移動が可能になりました。インターフェイス面では、攻撃中のレティクル(照準)の透明度が低下するなど、プレイヤーの集中力を妨げない配慮も見られます。
バグ修正と安定性向上

今回のアップデートはバグ修正も充実しており、複数のレベルにおける競合状態の修正や、ダチュラポータル周りの不具合解決が行われています。とくに「Underground」レベルでのゲームパッド振動の不具合、ライター燃料の自動補充機能の問題など、プレイヤーの没入感を損なっていた細かい問題が一掃されています。
タンク砲弾が前進中に砲身内部に生成される不具合も修正され、戦闘の信頼性が向上しています。「暗闇での死」ロジックも修正され、ライターなしで暗闇に取り残されたプレイヤーは段階的にダメージを受けるようになり、ゲームメカニクスの一貫性が保たれるようになりました。
プレイヤーへの影響と今後

既存プレイヤーにとって、本アップデートは操作感の大幅な改善によって、これまで以上に爽快感のあるアクションプレイが実現します。新規プレイヤーにとっても、自動武器装備とストレイフ機能により、90年代レトロ風ながら現代的な操作感が提供されるため、敷居が下がったと言えるでしょう。
ただし、英語のみの対応という点は変わりません。ストーリーテキストと会話が英語のため、物語を深く理解したい日本語ユーザーには厳しい環境のままです。とはいえ、アクション中心のゲーム設計であり、言語の壁を完全には超えられないにせよ、ゲームプレイ自体は言語に左右されにくい構成になっています。
東欧ダークアクションの異色作『Datura Time』は、本アップデートにより操作系の洗練と戦闘バランスの調整が進みました。発売から約10ヶ月での大型アップデートは、開発者による継続的な改善姿勢を示すものです。ポスト・ソビエト美学に彩られた謎めいた世界を舞台にしたアクション体験を求めるプレイヤーにとって、今がプレイを始めるタイミングかもしれません。
価格と対応プラットフォーム

『Datura Time』はPC(Steam)向けに920円で配信中です。本作は英語のみの対応となっており、日本語インターフェイス、音声、字幕は用意されていません。最小動作環境はWindows 7以降で、4GBのRAMとDirectX 10対応グラフィックスがあれば動作します。V1.4アップデートはすでにSteamで配信済みのため、本作を購入すれば最新版をプレイできる状態です。
『Datura Time』
- 配信日:2025年01月25日
- 対応プラットフォーム:PC(Steam)
- 価格: 920円(税込)
- 開発:Vladeta Stojanovic
- パブリッシャー:Vladeta Stojanovic
- 日本語対応:なし
その他のスクリーンショットや公式トレーラー

























システム要件
最小動作環境
- 最低:
- OS: Windows 7 (SP1+) and Windows 10
- プロセッサー: x86, x64 architecture with SSE2 instruction set support.
- メモリー: 4 GB RAM
- グラフィック: Graphics card with DX10 (shader model 4.0) capabilities.
- DirectX: Version 10
- ストレージ: 1 GB の空き容量
- サウンドカード: Yes