
Humble Gamesは11月14日、日本の民話を題材にした2.5Dアクションプラットフォーマー『ボウと月夜の碧い花』(Bo: Path of the Teal Lotus)に「狸歌舞伎コンテンツアップデート」を配信しました。無料の大型拡張として、ポストゲームコンテンツ、チャレンジモード、コレクターシステムが追加されています。
本アップデートを楽しむには、ゲーム本編をクリアして、同じセーブファイルを再度ロードする必要があります。既存プレイヤーにとっては、クリア後の遊びが大幅に増える形での更新となるわけです。
狸歌舞伎コンテンツアップデートの新要素

アップデートの中心となるのが「ボスラッシュモード」です。ソロモードでは本編に登場した各ボスとの戦闘を個別に挑戦でき、歌舞伎風の舞台で再戦できます。一方、ガントレットモードでは複数のボス戦を連続でこなし、耐久力と戦闘技術を試されます。
ボスラッシュには「シール」と呼ぶオプショナルなハンディキャップが用意されており、難度を上げるほど報酬が豪華になる仕組みになっています。各戦闘は観客の前で行われ、パフォーマンスに応じて観客の反応が変わり、報酬にも影響を与えるとのことです。
「狸トラッカークエスト」では、不思議な庭園に隠された狸を探し出すクエストラインが登場します。ボーの杖を使って狸の真の姿を明かし、その後、時間制限のあるプラットフォーミングチャレンジで競争するわけです。これらのクエストをクリアすると、歌舞伎劇場内の新機能がアンロックされます。
新たに実装された「ガチャマシンと図鑑」では、77体のコレクタブルドールが登場します。複数のレアリティに分かれており、ゲーム内のキャラクターや敵をモチーフにしたドール。図鑑メニューで確認でき、歌舞伎劇場のドール棚に飾ることで、ゲーム内の図鑑として機能する仕組みです。
ボーの部屋をカスタマイズできる「ボーズルーム」も新規追加されました。ボスラッシュモード内の特定チャレンジをクリアすると、家具、小道具、壁紙、装飾品などを獲得でき、これらを配置できます。さらに、ゲーム内のアニメーション映像とエンディングを再鑑賞できる「シネマティクス鑑賞室」も実装されています。
本編ゲームの改善も大幅に実施

アップデートは新コンテンツだけではなく、本編ゲームにも多数の改善がくわえられています。ボス戦のバランス調整では、朝日(アサヒ)のレーザー攻撃が2ペタルダメージに変更され、チェックポイントリセットが強制されなくなりました。
最大の変更は桜将軍戦です。新たな最終フェーズが追加される一方で、旧フェーズが削除されており、戦闘構成が刷新されています。兜横綱戦では、シデ鋸刃がボーの杖で打たれた際に、ポゴアタック以外でもジャンプリセットを与えるようになりました。
ゲームプレイ面では、リスポーン時の無敵時間が延長されています。茨迷路(トゲ迷路)のいくつかのスパイク配置が削除され、ゲームの流れが改善されました。敵側では、風の妖怪(カマイタチ)がスパイクに当たった後、そのルーム内で無効化されるバグが修正されています。
UI改善も充実しており、ゲーム起動時にキーアートのスプラッシュスクリーンが表示されるようになり、メインメニューレイアウトが更新されました。ゲームプレイ中のコンボカウンターUIが不正な回転で表示されるバグも修正されています。
品質改善として、コントローラーでの操作に新たな入力が追加されました。フラジャイルエッグクエストでは、クエスト開始地点でのリスポーン選択肢が追加され、素早い再試行が可能になっています。アイスキャバーンズ東部の天狗槍の近くにチェックポイントが追加され、千潮橋の波状チェイス区間にも新たなチェックポイントが設置されました。
ゲーム全体の構成と魅力

『ボウと月夜の碧い花』は、日本の民話を題材にした2.5Dアクションプラットフォーマーです。主人公ボーは「狐天体花」という古代からの儀式で重要な役割を果たすために、天界から降りてきた存在。ボーの杖の能力を使い、手描きの幻想的な世界を跳ね回ったり、優雅に飛び回って探検します。
ゲームの舞台は、奇妙で愛らしい妖怪たちや、日本の古い伝説に基づいた巨大な怪物が棲む神話世界です。プレイヤーはアクロバティックな空中戦闘を繰り広げ、強力な神秘のアビリティをアンロックしながら、謎に包まれた自らの出生の秘密を解き明かしていきます。
色鮮やかな手描きグラフィックが本作の大きな特徴で、各地域ごとに異なる視覚的な雰囲気が表現されています。桜城、氷の洞窟、緑の森など、広大な神話世界を舞台に、複数のボス戦が待ち受けています。
ゲームシステムと戦闘の仕組み

戦闘システムはボーの杖を中心に展開します。敵に杖で攻撃をくわえ、ダメージを与えるほか、杖を使った特殊なアクション(ポゴアタックなど)で敵を制圧します。ゲーム内には「ダルマ」という装備品システムが存在し、複数のダルマを組み合わせることで、ボーの能力を強化できます。
プレイヤーは探索を通じて装備やアイテムを集め、鍛冶屋で強化を行います。本アップデートでは、鍛冶屋に攻撃ダミーが追加され、総ダメージを確認できるようになりました。インベントリメニューにはプレイヤーの死亡カウンターも表示されるようになり、自分のプレイ進行状況をより詳しく把握できます。
ボスラッシュモード実装により、既存プレイヤーは本編で習得した戦闘技術を存分に発揮できるようになります。シール機能で難度調整ができるため、初心者から上級者まで、自分のプレイスタイルに合わせたチャレンジが可能です。
今後の展開への課題と期待

『ボウと月夜の碧い花』は、インディーゲームとしては充実したボリュームを持つ作品です。ただし、アクションプラットフォーマーというジャンルの性質上、難度調整とプレイ感の維持が継続的な課題となります。今回のアップデートでは複数のバグ修正と改善がくわえられており、開発チームの積極的な姿勢がうかがえます。
ボスラッシュモードの実装は、クリア後の遊びを大幅に拡張する試みです。ガチャ要素の導入により、コレクターとしての楽しみも生まれています。もっとも、コレクタブルドール77体すべてを集めるまでのプレイ時間は、既存プレイヤーにとって新たな目標になる一方で、後発プレイヤーにとっては長期的な投資が必要になる可能性があります。
ビデオ設定に「シネマモード」が追加されたのも興味深い点です。本編クリア後に解放される機能とのことで、ゲームの世界観をより深く味わう仕組みが用意されています。
価格と対応状況

『ボウと月夜の碧い花』は2024年7月17日にSteamでリリース済みで、通常価格は2,970円です。本アップデートは無料で提供されており、既存プレイヤーは追加費用なしに新コンテンツへアクセスできます。
日本語インターフェイスと字幕に対応しており、UI操作や物語の把握に言語の壁はありません。ただし音声は英語のみとなっています。アクション中心のゲームであり、ストーリーテキストも控えめなため、英語音声でも大きな支障はないと見られます。
『ボウと月夜の碧い花』
- 配信日:2024年07月17日
- 対応プラットフォーム:PC(Steam)
- 価格: 2,970円(税込)
- 開発:Squid Shock Studios, Christopher Stair, Trevor Youngquist
- パブリッシャー:Humble Games
- 日本語対応:あり(インターフェース, 字幕)
その他のスクリーンショットや公式トレーラー




システム要件
最小動作環境
- 最低:
- OS: 10
- プロセッサー: Intel Core 2 Quad Q9400 or AMD Phenom II X4 940
- メモリー: 8 GB RAM
- グラフィック: NVIDIA GeForce GT 730, 2 GB or AMD Radeon R7 240, 2 GB or Intel UHD Graphics
- 追記事項: Low 1080p @ 30 FPS
推奨動作環境
- 推奨:
- OS: 10
- プロセッサー: Intel Core i5-650 or AMD FX-4300
- メモリー: 8 GB RAM
- グラフィック: NVIDIA GeForce GTX 650 Ti, 2 GB or AMD Radeon R7 360, 2 GB or Intel Iris Xe Graphics
- 追記事項: High 1080p @ 60 FPS